
山梨の未来を、ともに考え、ともにつくる
山梨県には、美しい自然、豊かな文化、地域に根付いた産業、そして人と人との温かなつながりがあります。私たちの使命は、このかけがえのないふるさとを、子どもたちが夢や希望を持って暮らし続けられる地域として、次の世代へより良い形で引き継いでいくことです。
しかし、人口減少や少子高齢化、地域経済、環境、子育て、教育、医療、福祉、地域交通など、私たちを取り巻く環境は大きく変化し、地域が抱える課題も多様化しています。これからの山梨には、立場や世代を超えて知恵を出し合い、未来について語り合う場が必要です。
「山梨の未来を語る会」は、山梨を愛するすべての人が自由に参加し、それぞれの経験や想いを持ち寄りながら、山梨の未来について考え、学び、語り合う開かれた場です。
私たちは、多様な意見を尊重し、一人ひとりの声に耳を傾けながら、地域の可能性を広げ、未来へつながる新たな価値を創造していきたいと考えています。
山梨の未来は、誰か一人がつくるものではありません。
私たち県民一人ひとりが主人公となり、ともに未来を描き、ともに行動する。
その先に、子どもたちが山梨で生まれ育ってよかったと誇りを持ち、希望ある未来を築ける地域を実現することを目指して、「山梨の未来を語る会」は活動してまいります。
会⻑ 石坂 正人
県政検証について
検証の対象について
県政検証については、全ての政策・施策を検証するのではなく、山梨県の将来を考えるうえで重要な政策や、県民が不安に感じている項目について検証を行うこととして、以下の5項目について行った。
- 県有地問題(政策集約束 18、総合計画行財政改革取組2)
- 富士トラム(政策集約束8/約束9/約束 10、総合計画戦略3政策1/政策2/政策3)
- 地域を担う人財づくり(政策集約束4、総合計画戦略2政策5/戦略4政策1)
- 教育の充実(政策集約束 12、総合計画戦略4政策2)
- 人口減少対策(人口減少危機突破宣言)
※各項目の( )内は、検証対象とした政策集や県の計画における該当箇所を示しています。
「政策集 約束○」は、2023年1月に公表された「長崎幸太郎 政策集2023」に掲げられた19の「約束」の番号です。
長崎幸太郎 政策集2023を見る(PDF)
「総合計画 戦略○ 政策○」「行財政改革 取組○」は、「山梨県総合計画 2023年策定版」における戦略・政策・取組の番号です。山梨県は同計画を2023年10月に策定しています。
山梨県総合計画 2023年策定版を見る
「人口減少危機突破宣言」は、人口減少の危機的な状況を共有し、その克服に取り組むため、山梨県が2023年6月9日に発表した宣言です。
人口減少危機突破宣言を見る
検証の方法について
検証にあたっては、以下の5つの視点を設定し、それぞれの視点から評価を行った。
- その政策や取組の目的は適切か
- 目的を達成するための方法として適切か
- 進め方は適切か
- 財政負担は適切か
- 成果・効果やその他の影響等としてどのようなものがあるか
検証項目から選ぶ
1. 県有地問題
総括
契約を無効として訴訟によって争った手法、および判決確定後も新たな法的トラブルを生む進め方により、県民益を損なう結果となっている。
| 目的 | 財源が限られているなかで、県有資産を有効に活用することは重要 | |
|---|---|---|
| 方法 | すでに締結している契約を無効として、訴訟で争う手法を採用したが、最終的に県の敗 訴が確定。目的達成の手段として妥当性を欠いた | |
| 進め方 | 敗訴確定後も承認申請手続きの保留を行うことで、仮処分の申し立てや損害賠償請 求の訴訟を誘発している | |
| 財政負担 | 訴訟等に伴い、2020 年度以降で累計約3億円以上の財政負担が発生している | |
| 成果・効果 | 訴訟は県が全面敗訴。さらに 10 億円の損害賠償請求というリスクや、県民への不安 を招いた |
- 県民全体の利益を創出し、還元するためにあらゆる資源を活用します。
- 自己の資源を活用し、収益力を高めることは、民間事業であれば必要最低限の取り組みです。ましてや、県民からお預かりしている資産から生ずる利益を最大限にする努力を怠ることは、行政機関として許されません。
- 県有資産の活用は、そのための多くの努力のひとつですが、決してないがしろにはできない理由はそこにあります。
- 県が持つ資産は有限です。そこから可能なかぎりの価値を生み出し、県民生活に還元していく。そのための前進を止めることはありません。それは、県民の資産を預かる行政機関にとって最低限の務めです。
参考:県有地問題の経過
※赤枠は訴訟費用などの県の財政負担額
従来方針を撤回。「過去の契約更新・改定は違法かつ無効」と主張し、新賃料を要求
2020 年度約 6,600 万円
3月に富士急行が契約有効の確認を求め提訴⇒7月に県が損害賠償請求で反訴
2月に甲府地裁が県の請求棄却⇒8月東京高裁でも県の敗訴となり判決が確定
2022 年度約 1 億 7,100 万円
民事調停での賃料協議が継続しているが、現在まで未解決
2024 年度約 2,300 万円
6 月に県が別荘の転貸などを承認しないことは権利の乱用であるとして、富士急行が承認の仮処分決定を提起
⇒1月に甲府地裁が仮処分決定
⇒2月に当初は従う意向だった県が方針転換し係争中
⇒3月に富士急行が県に対して 10 億円の損害賠償請求を提訴し係争中
2025 年度約 6,400 万円
2. 富士トラム
総括
地元の声を聴く中で、当初の鉄道をトラムに変更しているが、事業の目的があいまいになっており、再度当初の目的から手段として適切かの検討が必要
| 目的 | 富士山登山鉄道では、世界文化遺産・富士山の環境保全財源と観光振興の両立という目的が明確であったが、富士トラムへと転換する中で、目的があいまいになっている | |
|---|---|---|
| 方法 | 現在の富士トラム案においても、「既存のバスで十分では」という懸念が払しょくできておらず、目的に立ち返って有効な方法を検討することが必要 | |
| 進め方 | 当初の富士山登山鉄道構想では、県主導で進めた結果、様々な懸念が払しょくできず、富士トラム案として再度調査、検討が必要となっている | |
| 財政負担 | 富士山登山鉄道構想の検討費用として 1 億円近くの財政負担が生じたが、LRT 案を断念したことにより、再度調査、検討に係る財政負担が発生している | |
| 成果・効果 | 地元との意思疎通の不足から富士トラムとして再検討が進められているが、目的があいまい化しており、何のための事業なのかがわかりにくくなっている |
参考:富士山登山鉄道構想と富士トラムの比較
| 富士山登山鉄道構想 | 富士トラム | |
|---|---|---|
| 目 的 | 世界文化遺産・富士山の環境保全財源と観光振興の両立 | 先に加えて、麓の市街地やリニア中央新幹線新駅との広域的な交通ネットワーク構築、災害時の避難路・緊急用道路の確保 |
| 概 要 | 富士スバルラインの路面上にレールを敷設し、LRTを運行 | レールを敷かず、道路上の磁気マーカーや白線を読み取りゴムタイヤで自動自律走行 |
| 経 過 | 県主導で構想を発表し、事業化検討を進め、20回以上に及ぶ住民説明会を開催したが、富士吉田市をはじめとした地元の懸念(自然破壊、避難路の喪失、費用負担、事業の進め方など)を払しょくできなかった。 | 2024年11月にLRT案への地元の反発を受けて、LRT案を断念し、富士トラムを提案 富士吉田市なども容認・評価へと姿勢を軟化 2024年度以降に調査費等を計上し、現在詳細な内容を検討中 |
| 検 討 経 費 等 | 2019年度 構想検討費 約4,200万円 2023年度 事業化検討費 約7,000万円 | 2024年度 調査費等 約9,600万円 2025年度 構想検討費 約8,900万円 2026年度 推進事業費 約7,500万円 |
| 課 題 等 | 1.防災機能の喪失(避難路が塞がる) 2.大規模な自然破壊 3.巨額の建設費と採算性 4.地元との対立 | 1.過酷な自然環境下での新技術実証が必要 2.レールなしでの厳格なマイカー規制の有効性 3.インフラ投資費用と事業採算性 4.「既存のバスで十分では」との懸念 |
LRT案とは
2021年に策定された「富士山登山鉄道構想」で示された、富士スバルライン上にLRT(次世代型路面電車)を敷設し、富士山の麓と五合目を結ぶ構想です。富士山への来訪者コントロールや環境保全などを目的として検討されていました。
その後、山梨県は2024年に鉄軌道によるLRT案から、ゴムタイヤで走行する「富士トラム」案へ転換しています。
3. 少人数教育
総括
今後も持続していくためには、教員の数や質や財源の確保が課題であり、少人数クラスにこだわらず、アクティブクラス方式の強化など、教育現場のニーズに即した対応が必要
| 目的 | 次の世代を担う子どもたちがきめ細かな質の高い教育を受けることができる環境づくりを進めることは重要 | |
|---|---|---|
| 方法 | 2年ごとに少人数教育による効果も検証されているが、現場では各学級に複数の教員を配置するアクティブクラス方式の存続・強化に係る要望も強い | |
| 進め方 | 対象年次の拡大を行っているが、小学校中学年以上での適用で課題となっている集団活動による社会性の育成に関して十分な検証が行われていない | |
| 財政負担 | 小学 6 年生まで拡大した令和 8 年度は年間約 20 億円の負担が発生。さらに小学校を整備する市町村でも教室の確保などについて予算が必要となる場合がある。 | |
| 成果・効果 | 自己肯定感の向上などの効果は確認されているが、集団活動による社会性の育成への影響などへの影響が検証されていない |
参考:はぐくみプランに基づいた県独自の学級編成基準 ( )内は国の基準
平成 26 年度から国の基準を上回る教員配置を行っており、さらにそれを順次拡大
※全て小学生の学年
| 1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生 | 5年生 | 6年生 | 少人数教育推進事業費 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| H26 〜 R2 | 30人 (35人) | 30人 (40人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | ― |
| R3 | 25人 (35人) | 30人 (35人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 約2億2,300万円 |
| R4 | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 35人 (35人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 約4億4,600万円 |
| R5 | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 35人 (35人) | 35人 (40人) | 35人 (40人) | 約9億6,400万円 |
| R6 | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 35人 (35人) | 35人 (40人) | 約12億6,800万円 |
| R7 | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 30人 (35人) | 35人 (35人) | 約16億6,100万円 |
| R8 | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 25人 (35人) | 30人 (35人) | 約19億5,600万円 |
参考:山梨県公立学校教員選考検査の結果(小学校及び中学校)
全国的な教員のなり手不足から、小学校では受験倍率が 2 倍を下回るなど、経験豊かな教員の確保が課題
| 小学校 | |||
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 採用候補者数 | 倍率 | |
| R4 | 291 | 162 | 1.8 |
| R5 | 239 | 149 | 1.6 |
| R6 | 244 | 180 | 1.4 |
| R7 | 226 | 180 | 1.3 |
| R8 | 216 | 179 | 1.2 |
| 中学校 | |||
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 採用候補者数 | 倍率 | |
| R4 | 263 | 62 | 4.2 |
| R5 | 236 | 69 | 3.4 |
| R6 | 239 | 72 | 3.3 |
| R7 | 190 | 75 | 2.5 |
| R8 | 202 | 76 | 2.7 |
4. 地域を担う人財づくり
総括
県内の中小企業が求めている人財を育成する事業が中心となっておらず、切迫している現場ニーズに対応した人財づくりの充実が必要
| 目的 | AIをはじめとしたデジタル技術が急速に進化し、産業構造が大きく変化する中で、この変化に対応した人材の育成を図ることは重要 | |
|---|---|---|
| 方法 | 労働団体や教育機関等との連携や体験型ワークショップなど効果的な人材育成方法が試行される一方で、学生や生徒を対象とした事業が中心的な事業となっている | |
| 進め方 | まずは現在県内の中小企業に在籍し、各企業の課題を熟知している人材の育成を優先すべきところ、必ずしも県内に就職しない学生等の育成が優先されている | |
| 財政負担 | 主要な 3 事業のうち、大学生等が対象となる DX 人材育成エコシステム創出事業が予算の半分以上をしめており、年間 2 億円以上となっている | |
| 成果・効果 | 最も予算が計上されている DX 人材育成エコシステム創出事業の令和6年度の成果は、PBL 参加者 22 人、中小企業支援 8 件などとなっている |
参考:地域を担う人財づくりの主な事業の内容と予算規模
| 予算 (令和) | キャリアアップ ユニバーシティ 運営事業 | 県民 DXリテラシー 向上事業 | DX人材育成 エコシステム 創出事業 |
|---|---|---|---|
| 5年度 | 52,728千円 | 108,709千円 | 59,180千円 |
| 6年度 | 57,211千円 | 32,736千円 | 292,507千円 |
| 7年度 | 62,311千円 | 65,763千円 | 317,831千円 |
| 8年度 | 109,967千円 | 85,269千円 | 223,875千円 |


| 事業名 | 事業内容 | 令和6年度実施状況 |
|---|---|---|
| キャリアアップ ユニバーシティ 運営事業 | 労働団体や教育機関等と連携し、経営マネジメント・DX実践・ものづくりなどの実践講座を一元的に提供。受講後の伴走支援や受講者同士のネットワーク構築も実施 | 18講座 受講者207人 |
| 県民 DXリテラシー 向上事業 | 県民やビジネスパーソン等を対象に、理解度に応じたオンライン講座や体験型ワークショップを開催。業務効率化や付加価値向上に向けた具体的な思考法やツールの活用手法を学ぶ機会を提供 | eラーニング講座 2,351再生 ワークショップ参加者 424人 |
| DX人材育成 エコシステム 創出事業 | 研修でデジタルスキルを修得した大学生が核となり、中高生へのプログラミングや課題解決型学習(PBL)の指導・育成を実施。同時に、商工会等と協力して中小企業のデジタル課題の解決策を提供 | PBL参加者 22人 大学生DXリーダー 29人 中小企業支援 8件 |
5. 人口減少危機突破宣言
総括
行政サービス拡充が中心で、特に基金を活用した市町村事業は県内での人の奪い合いとなっている可能性があり、問題の根本的な解決に必要な中⾧期的な取組が必要
| 目的 | 人口減少社会に向き合い、行政だけでなく、県民一人ひとりが自分事として問題を認識し、取り組んでいくことは重要 | |
|---|---|---|
| 方法 | 人口構造は一世代 30 年かけて変化していくものであり、腰を据えた⾧期的な取組や社会経済構造を変えるような取組が必要であり、行政サービス拡充では限界がある | |
| 進め方 | 要因分析や効果検証、県民の意識醸成を重視しすぎであり、市町村の取組を促進し ているがそれは県内での人口の奪い合いになり、効果を相殺している可能性がある | |
| 財政負担 | 市町村振興資金を活用した資金貸付を除くと、新規事業としてはプレコンセプションケアに関連した事業のみであり、その予算規模も令和8年度には大幅に縮小している。 | |
| 成果・効果 | 足元の合計特殊出生率は下落しており⾧期的な取組による対策が必要であるが、人 口を増加させることの困難性を考慮すると人口減少に適応していく施策が必要となる。 |
参考:令和 5 年度以降の人口減少対策の主な新規事業の内容と予算規模
| 令和 | 人口減少の要因分析や効果検証、 取組内容の検討や周知のための予算 |
|---|---|
| 5年度 | 7891万円 |
| 6年度 | 2418万円 |
| 7年度 | 2287万円 |
| 8年度 | 2270万円 |
| 令和 | 市町村の取組に対する 支援や資金の貸付など |
|---|---|
| 5年度 | ー |
| 6年度 | 34億2134万円 |
| 7年度 | 2億円(資金貸付) |
| 8年度 | 2億円(資金貸付) |
| 令和 | プレコンセプションケア(将来の妊娠・出産に備えた健康管理など)関連 |
|---|---|
| 5年度 | ー |
| 6年度 | 1億8726万円 |
| 7年度 | 2億3398万円 |
| 8年度 | 4614万円 |
| 令和 | 住宅取得などの支援について 子育て世帯の場合に補助額を加算 |
|---|---|
| 5年度 | ー |
| 6年度 | ー |
| 7年度 | 8055万円 |
| 8年度 | 継続実施(予算不明) |
参考:過去 10 年間の合計特殊出生率の推移と全国での順位



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